建設業許可を取るためには、どのような要件が必要なのかについて、一般建設業の例を中心に概略のご説明をします。
建設業許可を取得するためには、経営・技術・財産の面において一定の要件が課されていますが、主なものは次の4点です。
1.経営業務の管理責任者が常勤でいること
「経営業務の管理責任者」とは、その営業所において、取引上対外的に責任を有する地位にあって、建設業の経営業務について総合的に管理し、執行した経験を有した者をいいます。
<具体的には>
・許可を受けようとする建設業に関し「個人事業主として5年以上の経営経験を有する者」又は「取締役等を5年以上務めていた経験を有する者」
・他の業種(許可を受けようとする建設業以外)の建設業で7年以上取締役か個人事業主としての経験がある者
※ これら以外に例外的な取扱いもありますが、ここでは省略します。
2.専任技術者を営業所ごとに専任で置かれていること
「専任技術者」とは、建設工事の請負契約の適正な履行を技術面から確保するため営業所に常勤し、もっぱらその業務に従事するものをいいます。
許可を受けようとする建設業の工種ごとに必要で、営業所が複数ある場合には全ての営業所について工種ごとに必要です。
<具体的には>
・高等学校、大学又は高等専門学校の指定学科を卒業後、当該業種につき一定の実務経験(高等学校の場合5年以上、大学または高等専門学校の場合3年以上)を有する者
・当該業種について10年以上の実務経験を有する者
・前各号と同等またはそれ以上の知識・技術・技能を有すると認められた者(一級建築施工管理技士、一級土木施工管理技士、一級電気工事施工管理技士等)
※ 特定建設業については、より高度な資格や経験が必要であり、業種によっては1級の国家資格者等に限られます。
3.請負契約に関して誠実性を有していること
建設工事の請負契約の締結又は履行の際に、詐欺・脅迫等の法律に違反する不正行為や工事内容・工期等請負契約に違反する不誠実な行為をする者でないことです。
4.請負契約を履行するに足りる財産的基礎又は金銭的期信用を有していること
建設業は、資材の購入や労務の発注などで大きなお金が動くので、それに見合うだけの財産的基盤というものがなければならないということです。
たとえば、一般建設業の場合、「自己資本(貸借対照表の資本合計の額)500万円以上」又は「500万円以上の資金を調達能力」のいずれかに該当しなければなりません。
なお、特定建設業の場合は高額の下請工事を発注することから、資本金2,000万円以上かつ自己資本4,000万円以上など、一般建設業よりもさらに厳しい基準になっています。
<備考>
以上の要件を満たしていても、許可の取り消し処分を受けてから5年未満の者や役員等に禁固以上の刑に処せられ、刑の執行を終わり又は刑を受けなくなってから5年未満の者がいるなどの欠格要件に該当する場合は、許可を受けることができません。