経営業務の管理責任者は、ご存じのように建設業許可の重要要件の一つであり、許可を受けようとする業種では5年以上、許可を受けようとする業種以外では7年以上、建設業の経営経験が必要です。
この要件に該当する経営業務の管理責任者になれる者がいなければ、建設業許可は取得できませんが、自社にこれらの該当者がいない場合でも許可を取得する方法がないわけではありません。
それは、建設業を経営している会社で取締役を務めていた人や個人事業で建設業を営んでいた人など、経営業務の管理責任者の要件を満たす人を外部から迎え入れることです。
ただし、これらを行う場合は次のような注意が必要です。
<経管を外部から迎え入れる際の注意点>
1.法人であれば取締役、個人事業であれば支配人として登記すること
2.常勤(休日等を除き、当該営業所で業務に従事)で勤務してもらうこと
3.許可が下りた後も、経営業務の管理責任者として引き続き在籍してもらうこと
もうお分かりだと思いますが、「名義貸し」などではなく、その方には、経営業務の管理責任者として実際に勤務していただく必要があります。
仮に名義貸しなどして、それが発覚すれば、許可取消の処分を受けるだけでなく、以後5年間建設業許可申請をすることが禁止されます。
また、適法に外部から招聘する場合でも、既にある程度の信頼関係がある方を連れて来るべきです。
あまり信頼関係が築けていない方だと、経営者が未だ経営業務の管理責任者の要件を満たさない段階で仲間割れなどが起こる可能性があるからです。
そんなことでその方が抜けることにでもなれば、これまた許可の取消原因となりますし、よからぬ相手であれば、そのことを逆手に取って付け込んでくるようなことも考えられます。
経営業務の管理責任者を外部から迎え入れることを考える際は、そのあたりのことまで慎重に考える必要があります。