建設業許可申請は、会社設立手続をはじめ、他の行政手続、周辺許認可申請等と密接に関連しており、これらに鑑みても、建設業許可をトータルにサポートできるのは、やはり官公庁手続の専門家・行政書士です。
しかし、行政書士の業務範囲は非常に広く、同じ行政書士でも、建設業許可をやらない人も少なくありません。
ですから、同じ行政書士でも「建設業許可は積極的にやっているわけではない」「明らかに他の業務が専門である」ような行政書士は、たとえ業務報酬額が安くても避けた方が賢明です。
業務に不慣れでもその分丁寧に仕事をしてくれる人もいるので、不慣れな行政書士が一概に悪いとは言えませんが、やはり手馴れた行政書士に依頼する方が確実といえます。「行政書士なら誰でもいい」と考えるべきではありません。
そこで、どのような基準で建設業許可申請を依頼する行政書士を選べばよいかということになりますが、その前提として必要以上に価格を重視するべきではありません。
報酬額の差など、せいぜい1万円か2万円です。その程度の差額を気にするよりも、安心して仕事を任せるに足る信頼できる専門家を見付ける方が先決です。(それでも安い方がいいとお思いであれば、ここから先はもうお読みいただく必要はありません)
まずはホームページなどを見て、「建設業許可について一定の実績がある」「ある程度の数の既存の顧客がいる」行政書士かどうかを判断しましょう。
その際には、建設業という仕事について「最低限の見識を持っている行政書士かどうか」ということも大切なポイントになると思います。
たとえば、「許可さえ取れば、仕事が下手でも受注ができる」かのように勘違い又は建設業の技術というものを軽んじている行政書士、「ご存じですか?建設業の業種は28業種もあります」などとプロ相手に真顔で講釈するような厚顔無恥の行政書士(いずれも特に新人)もたまにいます。このような最低限の見識もない者に大事な手続きを任せられるかどうかはもうお分かりですね。
建設業許可に限らず、他の分野でもそうですが、インターネットで上位表示されるようなことと業務の能力が高いこととは別物なので、その道の専門家と思しき人であっても慎重にその中身を吟味するようにしましょう。
このような要領で総合的にチェックした上で、実際に会って(必ず会ってください!)色々話を聞き、「ホームページで見たとおり、信頼して仕事を任すことができそうかどうか」ということに確信が持て、なおかつ相性(能力があっても、気に入らない人と仕事をするのはストレスになります!)も合うようであれば、その方に依頼してまず間違いないはずです。