建設業許可の基礎知識


特定建設業の金額要件に関する誤解

投稿日時:2019/02/09 16:34

注文者から直接工事を請け負う元請工事、元請業者から下請負する下請工事、下請業者からさらに下請負する孫請工事のいずれであるかを問わず、1件の請負額が税込500万円(建築一式工事は1,500万円又は木造住宅延床面積150㎡)以上の建設工事を請け負う場合には、必ず建設業許可が必要です。


そして、元請工事を行う場合において、一般建設業ではなく特定建設業の許可を受けるべき場合があるのですが、この金額的要件について誤った解釈が見受けられます。


ちなみに、福岡県内のある行政書士事務所のHPでも「一般建設業と特定建設業の区分」について、次のように述べられていますが、専門家でもこのような誤った解釈をすることがあります。




つまり、このサイトによると、一般建設業の許可が必要なのは、冒頭にあるように元請、下請等に関係なく500万円(建築一式工事は1,500万円又は木造住宅延床面積150㎡)以上の請負をする場合で、さらに元請工事で税込4,000万円(建築一式工事6,000万円)以上の請負をするのであれば、特定建設業の許可が必要であるとのことです。

*6,500万円とあるのは6,000万円の入力ミスと思われます。


しかし、これは大変大きな誤りで、正しくは1件の工事について総額4,000万円(建築一式工事6,000万円)以上の「下請発注」により工事を施工する場合に特定建設業の許可が必要なのです。

すなわち、工事1件の請負金額そのものには、一般建設業でも特定建設業でも制限はありません。

したがって、4,000万円ないし6,000万円以上の工事を請け負う場合でも、下請工事であれば特定建設業の必要はありませんし、元請工事であってもすべて自社施工するような場合も同様です。


結局のところ、一般建設業と特定建設業の区分があるのは、「下請保護」という建設行政上の目的のためであり、多額の下請工事を発注する特定建設業者には、一般建設業者よりもさらに厳格な「財産的基礎」「金銭的信用」の要件が課されるということです。

対象となるのはあくまで元請業者から下請業者への発注金額であるということに注意が必要です。



行政書士 高松 隆史(たかまつ たかし)

行政書士高松事務所・建設業許可申請サポート福岡代表。

行政書士、建設業経営法務コンサルタント。

地場老舗ゼネコンの社長室長、常務取締役を経て、平成22年5月行政書士登録。福岡市を中心に福岡県内全域で年間100件以上の依頼・相談を受ける。

建設業の産業特性や業界事情、商慣習等を自らの肌で知る「元建設業経営者の行政書士」として、建設業許可の申請代行業務を最も得意とする。

建設業者が抱える経営法務の諸問題に対し、建設業実務に即した実戦的なアドバイスができる建設業法の専門家として定評がある。

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