許可後の注意事項


建設業者の不正行為等に対する監督処分

投稿日時:2014/09/26 19:19

建設業者が建設業法やその業務に関して他の法令に違反すると、監督行政庁(国土交通大臣又は都道府県知事)により建設業法に基づく監督処分が行われます。

監督処分には、指示処分営業停止処分許可取消処分の3種類があります。


指示処分(建設業法第28条第1項、第2項)
建設業者が建設業法に違反すると、監督行政庁による指示処分の対象になります。
指示とは、法令違反や不適正な事実の是正のため、建設業者が具体的に取るべき措置を監督行政庁が命令するものです。
営業停止や許可取消に比べれば軽い処分ですが、この指示処分であっても県や市の判断で指名停止が行われることがあります。
 <対象行為>
①建設工事を適切に施工しなかったために公衆に危害を及ぼしたとき、又は危害を及ぼす恐れが
大である場合
②請負契約に関して不誠実な行為をしたとき。
③建設業者(法人であるときは当該法人又はその役員)又は政令で定める使用人(支配人及び支店又は営業所の代表者)が業務に関し他の法令に違反し、建設業者として不適切であると認められる場合
④一括下請負の禁止に違反したとき
⑤工事現場に置いた主任技術者又は監理技術者が工事の施工の管理について著しく不適当であり、かつ、その変更が公益上必要であると認められる場合
⑥軽微でない建設工事(500万円以上の建設工事)について許可対象外業者と下請契約を締結したとき
⑦建設業者が、特定建設業の許可を受けていない元請人から3,000万円(建築工事業にあっては4,500万円)以上の建設工事を請け負った場合
⑧建設業者が、情を知って、営業の停止又は営業の禁止を命ぜられた者と停止又は禁止されている営業の範囲に係る下請契約を締結したとき
※以上の①から③に該当するものについては、当該建設業者に指示処分を行うほか、特に必要があると認められるときは、工事の注文者に対しても適当な処置を取るよう勧告される場合があります。


営業停止処分(建設業法第28条第3項)
前述の指示処分のいずれかに該当し、その事実について情状が重く、指示処分のみでは十分ではなく、かつ取消処分に至るものではない場合には、営業の停止処分が行われます。
指示処分を受けたものであっても、その指示に従わなかった場合においても指示処分が行われます。
営業の停止とは、請負契約の締結及び入札、見積等これに付随する行為の停止であり、営業の停止期間は1年以内で監督行政庁が判断し、その全部又は一部について決定します。
 <対象行為>
①指示処分に該当する行為が、故意または重大な過失により行われた場合
②指示処分を受けたにもかかわらず改善がない場合など、指示処分に違反した場合


許可取消処分(建設業法第29条、第29条の2)
許可の取消処分は、建設業を行うことを特に許していたことを解除されることですが、次の場合になされます
<対象行為>
①経営業務の管理責任者がいなくなった場合
②営業所ごとに置くことになっている専任技術者がいなくなった場合
③許可を受けた後、許可拒否事由に該当することとなった場合
④営業所の新設、廃止等により許可換えを行わなければならない必要があるとき、それを行わなかった場合
⑤許可を受けた後1年以内に営業を開始しなかったり、1年以上営業を休止した場合
⑥廃業の届出の提出要件に該当するに至った場合
⑦不正の手段によって許可(更新を含む)を受けていた場合
⑧前述の指示処分が行われる場合に該当し、その情状が特に重い場合
⑨営業の停止処分に従わなかった場合
⑩建設業者の営業所の所在地又は建設業者の所在を確知できない場合


営業禁止処分(建設業法第29条の4)
さらに営業停止又は許可取消の処分を行う場合は、法人であるときはその役員及び処分原因につき相当の責任を有する営業所長等に対し、個人であるときは処分原因につき相当の責任を有する支配人等に対して、あたらに建設業の営業を開始することが禁止されます。


監督処分の公表
監督行政庁は、建設業者に対して営業停止処分や許可取消処分を行ったときは、その旨を官報や公報で公告しなければならないことになっています。
また、建設業の許可を受けた業者が指示処分や営業停止処分をうけたときは、「建設業者監督処分簿」に当該処分の年月日及びその内容等を登載し、それを公衆の閲覧に供することとされています。
以上の建設業法に基づく公表措置のほか、国土交通省は大臣許可業者について営業停止や許可取消の監督処分情報をホームページに公開し、更には「建設業者の不正行為等に関する情報交換コラボレーションシステム」として、大臣許可業者に加え都道府県知事業者の監督処分情報も閲覧できるようになっています。



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