業種追加とは、一般建設業(特定建設業)の許可を受けている者が、他の建設業について同じ一般建設業(特定建設業)の許可を申請する場合をいいます。
もう少し具体的にいいますと、たとえば「一般(特定)」の「石工事業」の建設業許可を取得している会社が、新たに同じ「一般(特定)」の「タイル・れんが・ブロック工事業」の建設業許可を申請する場合がこれに当たります。
業種追加をする場合には、新たに取得する建設業許可の業種についても「経営業務の管理責任者」「専任技術者」の要件を備える人材が必要になります。
経営業務の管理責任者の要件はこちら→経営業務の管理責任者とは
専任技術者の要件はこちら→専任技術者とは
業種追加と経営業務の管理責任者
前述の例でいえば、石工事業の経営経験が7年以上あれば、タイル・れんが・ブロック工事業の経営業務の管理責任者にもなることができます。(建設業法第7条第1号ロにより、許可を受けようとする建設業以外の建設業に関し7年以上の経営業務の管理責任者としての経験を有する者は、すべての業種の経営業務の管理責任者になることができる)
また、石工事業の許可後2年以上経過しているなら、同様に要件を満たしていることになります。(石工事の許可を取得する際証明した経営経験年数5年+2年=7年)
業種追加と専任技術者
同じく前述の例でいいますと、一番都合がいいのは、石工事の許可申請時の専任技術者が「一級建築施工管理技士」又は「二級建築施工管理技士(仕上げ)」の国家資格者であることです。たとえば一級建築施工管理技士であれば、建築一式工事をはじめ、大工、左官、とび・土工・コンクリート、石、屋根、タイル・れんが・ブロック、鋼構造物、鉄筋、板金、ガラス、塗装、防水、内装、熱絶縁、建具の各工事の専任技術者になることができ、二級建築施工管理技士(仕上げ)は、建築一式、とび・土工・コンクリート、鋼構造物、鉄筋の各工事を除き、これと同様の専任技術者になることができます。
こうなりますと、専任技術者としては(現場の配置技術者としても)国家資格者等が欲しいところです。
実務経験での申請となりますと、1業種につき最大10年(高等学校の指定学科卒業者は5年、大学及び高等専門学校の指定学科卒業者は3年)要することになりますので、社内で他に要件を満たす者がいない限り、「一級土木施工管理技士」「二級土木施工管理技士(土木)」等、石工事の専任技術者になることができる国家資格者であっても、タイル・れんが・ブロック工事の専任技術者にはなれませんので、所定の年数を満たすまで待たなければならないことになります。
ちなみに、実務経験は経験期間が重複しているものは二重に計算できないこととされていますので、実務経験で石工事とタイル・れんが・ブロック工事2業種の専任技術者になるためには、合計20年間の実務経験期間が必要ということになり、複数業種の建設業許可を取得するためには、やはり専任技術者は国家資格者等である必要があるといえます。