建設業許可の基礎知識


建設業法と建設業許可

投稿日時:2014/01/17 11:39

建設業法の立法目的と建設業の許可制度の関係についてお話したいと思います。


建設工事の目的物には、道路・上下水道・鉄道等の「社会基盤」、学校・病院等の「公共施設」、工場・社屋・店舗等の「産業・商業施設」、そして我々の日常生活の本拠である「住宅」などがあります。
これら建設工事の目的物が適正、安全、かつ、経済的に建設されることは、公共の福祉にとって非常に大切なことであり、建設業法の目的は次のように定められています。


建設業法第1条(目的)

この法律は、建設業を営む者の資質の向上、建設工事の請負契約の適正化等を図ることによつて、建設工事の適正な施工を確保し、発注者を保護するとともに、建設業の健全な発達を促進し、もつて公共の福祉の増進に寄与することを目的とする。
そして建設業を営む者の資質の向上、建設工事の請負契約の適正化等を図ることにより建設業法の目的を達成するため定められたのが建設業の許可制度です。
現在の業種別の建設業許可制度は、昭和24年の建設業法制定後、数次の改正を経て、昭和46年に行われた建設業法の一部改正の際に導入されたものであり、許可申請としては次のような特徴を持っています。


建設業許可申請の特徴

許可なく建設業を営むこと(軽微な建設工事のみを請け負うことを除く)を一般的に禁止し、個々人の申請に基づき、行政庁がこの禁止を解除するかどうかを決定する。
この許可は行政法上の覊束裁量行為(適法であるかどうかにつき客観的基準に依拠して行なわれる行政庁の裁量行為)であり、行政庁は、申請者の申請内容が許可基準を満たしていることを確認することにより許可を下ろす。


このような建設業許可ですが、一般的には金額の大きな工事を請け負うためのライセンスのように考えられているのが現状であり、当事務所が受任するご依頼がほとんどがそのような目的でのものです。
それも建設業許可が必要な理由の一つですから、それはそれでいいと思うのですが、建設業界出身そして建設業専門の行政書士として、これから建設業許可を取ろうとお考えの皆様に申し上げておきたいのは、前述のように、建設業許可を受ける者には「国民が安心して生活するための基盤づくり」という大きな社会的責任があるということです。
建設業許可を取れば一定規模以上の工事を受注できるようになる反面、詳細はまた別の機会に申し上げますが、それだけの社会的責任に基づく義務というものも生まれます。
建設業許可は、取ることよりも取った後のことが大事であり、建設業法に定められた建設業者としての義務を果たせないことには本末転倒となります。
その点当事務所の業務は、単なる建設業許可申請の手続き代行業務ではなく、許可後の営業や工事施工、事務管理までを見据え、依頼主が許可を維持していくため必要なアドバイスまで含んでの手続き代行を行っております。
細かいことも色々申し上げますが、皆様のご依頼には誠実にお応えしていますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。



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