公開日:2016年05月24日 / 最終更新日:2018年03月24日
過去に建設工事の施工実績がない!? |
許可区分 | 福岡県知事許可(一般建設業・新規申請) |
許可業種 | とび・土工工事業、ほ装工事業、塗装工事業 |
概 要 | 希望業種はとび・土工工事業をはじめ3業種。7年以上の経営業務の |
(守秘義務により、一部内容を修正している箇所があります)
本件の顧客は、設立8年目の比較的新しい会社ですが、大手土木系ゼネコン数社を得意先とし土木資材製造販売業を営んでいて、建設工事の請負の方はこれから本格的に始めるという状況でした。
過去に建設工事の施工実績がなくても、建設業の経営経験(経営業務の管理責任者)や施工業種の技術的な資格要件(専任技術者)を有する人がいれば、新規許可を取得することは十分可能であり、本件顧客の場合も、新たに1級土木施工管理技士の有資格者を雇い入れるなどして、その体制を固めつつありました。
ただし、一つだけ問題がありました。それは、経営業務の管理責任者となるべき方がいなかったことです。当初は、前述の採用された方が建設会社の取締役の経験があるということで、専任技術者との兼任で考えていたのですが、わずかばかり経験年数が足りなかったのです。
経営業務の管理責任者についても、経験者を招聘して取締役に就任してもらえば事は足りますが、言うほど簡単なことではないので、「現体制で許可を取得する方法はないか」ということで相談があったのがきっかっけでした。
そこでまず検討したのは、先の専任技術者の予定者に「令3条の使用人」の経験がないかということでした。令3条の使用人とは、許可を受けた建設業者の支店長や営業所長のことですが、この方が中堅ゼネコンの出身と聞き、そのような経歴がないかどうか聴取しましたが、そのような経験はないとのことでした。
こうなってしまうと、後は顧客の会社に過去に建設工事の施工実績があって、それが所定の年数分あることにより、当社の社長自身に経営業務の管理責任者の要件があることを証明することくらいしか方法はありませんが、冒頭に申し上げた通り、この会社は設立8年目で建設業はこれから始めるところです。とてもそのようなことができるようには思えません。
しかし、顧客の営業内容である「土木資材製造販売」に鑑みるなら、「資材の販売の中で何らかの形で材工一式の請負の実績があるかもしれない」と考え、そのあたりの調査をしてみることにしました。
そこで、営業内容をさらに精査すべく数多くの契約書や請求書に目を通しましたが、やはり土木資材については販売だけという状況でした。
しかしながら、その過程で新たな発見があったのです。それは、当社が純粋な土木資材以外にも、環境関連資材を扱っていたことです。
中でも注目したのは、内装仕上材からのホルムアルデヒドの発生を抑える液状資材でした。このようなものを室内の天井、床、壁面等に吹き付け、又は塗り付けることは、明らかに建設工事(塗装工事)だからです。
そして、当社は、実際にそのような内容の工事を年間数件ずつですが、設立以来毎年施工していたのです。これなら社長に建設業の経営経験があるといえます。
かくして、塗装工事の経営経験7年以上を証明し経営業務の管理責任者の要件をクリア、一級土木施工管理技士の専任技術者を設置することにより、「とび・土工工事業」「ほ装工事業」「塗装工事業」の3業種の許可取得に至りました。
コンテンツ監修者プロフィール 高松 隆史(たかまつ たかし) 昭和35年10月9日生まれ。行政書士。 行政書士高松事務所・建設業許可申請サポート福岡代表。 地場老舗ゼネコンの社長室長、常務取締役を経て、平成22年5月行政書士登 建設業の産業特性や業界事情、商慣習等を自らの肌で知る「元建設業経営者 建設業者が抱える経営法務の諸問題に対し、建設業実務に即した実戦的なア 建設業許可申請サポート福岡 〒810-0024 福岡市中央区桜坂3丁目12番92-208号 TEL 092-406-9676(行政書士高松事務所) |
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