建設業許可「書類を書くだけという大いなる誤解」

建設業許可は書類を書くだけでは取れません!

建設業許可なんて、書類を書きさえすればいいんでしょ?

なんで、そんなに書類が色々必要なんですか?

実務経験を積んだ工事!? 若い頃行った現場なんか覚えてませんよ!


建設業許可に限らず、許認可申請の依頼主の中には、上記のようにただ書類を書いて提出しさえすれば許可が下りてくるかのように思っている方がいらっしゃいます。また、人づてにそのように聞いてこられる方もいらっしゃるもので、実際の許可申請にはおびただしいほどの裏付け資料等が必要であると聞いて、そんなはずはないと反論されることがたまにあります。


しかし、法定様式の申請書の記入欄を埋めるだけでは許可は下りません。要件証明のための数々の裏付け資料は絶対に必要です。たとえ、前に許可を取ったご同業の方が「書類を書くだけでよかった」とおっしゃっていたとしても、多分それは記憶違いです。


もしも、今このコンテンツをご覧になっている貴方様がそのようにお考えであれば、本当はそうではないことをよく知っていただきたいと思います。

建設業許可の「許可」の意味をよく認識してみましょう

ちょっと小難しい話になりますが、「許可」というのは、法令による一般的禁止を特定の場合に解除することです。たとえば、無許可で飲食店や旅館業などを営業することは公共の福祉の観点から禁止されていますが、これらと同様に500万円(建築一式工事1,500万円)以上の工事を請け負う建設業を無許可で営業することも禁止されています。


しかし、一方で、国民には職業選択の自由というものがあり、たとえば建設業を生業としたいと考えるものそういった自由で、その本来的自由を回復し建設業で生業を得るために行政庁に働きかけるのが建設業許可申請です。そして、その許可申請を行政庁が公共の福祉に反しないと認めれば、「許可」という形で当該禁止が解除されます。これが基本的な許可の仕組みになります。


一方、建設業許可等の「許可」は、行政法上の覊束裁量行為(適法であるかどうかにつき客観的基準に依拠して行なわれる行政庁の裁量行為)とされていて、ほとんどの許認可申請には行政庁が公にしている許可基準というものがあり、建設業許可等を受けるためには、申請内容がこれら許可基準に客観的に準拠したものになっていなければなりません。


これらに鑑みるならば、やはり本来的禁止について許可を受けるためには書類を書いて提出するだけでは足りないといえます。「この書類に書かれていることは、どんな事実に基づいているのですか?証拠となるものを提出してください」となってしかるべきではないでしょうか。

また、許認可行政庁としては、要件が備わっていない者に許可等を下してしまうことは致命的な大問題です。客観的証拠に基づき念入りに審査をした上で許可を下すというスタンスであって当然のことと考えられます。


以上、十分ご理解いただけたかどうかわかりませんが、毎月5件前後の建設業許可の新規申請をしている専門の行政書士が言うのですから、少なくとも「建設業許可なんて書類を書くだけ」などというのはうそだと信じてください。

まとめ

冒頭のように考える方のほとんどは、そもそも行政書士に安くもない報酬額を支払って建設業許可申請の依頼をすることを快く思っていない方ではないでしょうか。現にこのコンテンツをご覧の貴方様もそのお一人なのかもしれません。


だからといって、私はそれを悪く言うつもりはありません。むしろ、顧客の立場になれば「建設業許可とはそんなに七面倒くさいものなのか?」と懐疑的になったとしても不思議はないと思います。


そこで、当サイトでは、一般の方に建設業許可申請にかかる手間暇というものを理解していただく意味も込めて、このようなコンテンツを用意しています。⇒建設業許可を自分で取りたい人の手引き(福岡県版)


どうかこちらのコンテンツもご覧いただき、建設業許可申請とは本当に面倒くさい手続きなのかどうかをご判断ください。


ご覧になって、大して難しそうでなければご自身で手続きなさればよいですし、やっぱり難しそうだとお感じになれば、そのときはご遠慮なく当事務所を頼っていただきたいと思います。


 コンテンツ監修者プロフィール


 高松 隆史(たかまつ たかし)

 昭和35年10月9日生まれ。行政書士。

 行政書士高松事務所・建設業許可申請サポート福岡代表。


 地場老舗ゼネコンの社長室長、常務取締役を経て、平成22年5月行政書士登
 録。福岡市を中心に福岡県内全域で年間100件以上の依頼・相談を受ける。

 建設業の産業特性や業界事情、商慣習等を自らの肌で知る「元建設業経営者
 の行政書士」として、建設業許可の取得支援業務を最も得意とする。

 建設業者が抱える経営法務の諸問題に対し、建設業実務に即した実戦的なア
 ドバイスができる建設業法の専門家として定評がある。


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