公開日:2022年04月02日 / 最終更新日:2022年04月08日
個人建設業における建設業許可の引継ぎについて |
個人事業の建設業許可は、当該個人事業主に対して与えられたものであり、その後継者には承継することができないのが原則です。
したがって、個人が営む建設業が代替わりする場合、後継者の方が新規で許可申請をすることにより事業を承継するという方法が多く取られています。
一方、近年法改正があり、許可行政庁の事前認可を受けることによる「相続による許可の承継」や「個人事業主から法人成り後の法人への許可の承継」という方法により、事業主の許可を後継者に引き継ぐこともできるようになりました。
かくして後継者が自己名義の許可を得るための選択肢は広がりましたが、どの選択肢を選ぶにしても、後継者自身の経営業務管理責任者(建設業の経営経験)としての要件を証明しなければならないことに変わりはありません。
個人建設業の後継者を経営業務管理責任者にする方法 |
個人事業の支配人登記
建設業法第7条第1号に、経営業務の管理責任者としての経験を有する者として「個人である場合においてはその者又はその『支配人』」とあります。
支配人とは、商人に代わってその営業に関する一切の裁判上又は裁判外の行為をする権限を有する商業使用人のことで、商人(事業主)が支配人を選任したときは、その登記をしなければなりません。(商法第22条)
この登記を備えることにより、営業取引上対外的に責任ある地位にあって、建設業の経営業務を総合的に管理する者であることが公示され、5年以上の経験を積むことにより経営業務管理責任者となることができるというわけで、その証明は支配人登記の登記事項証明書を提出することにより容易にできます。
個人事業主の補佐経験の証明
建設業法施行規則第7条第1項第1号イ(3)に、経営業務管理責任者の基準を満たす者の一つとして「建設業に関し6年以上経営業務の管理責任者に準ずる地位にある者として経営業務の管理責任者を補助する業務に従事した経験を有する者」とあります。
いわゆる「補佐経験」と言われるもので、個人の建設業であれば事業主に次ぐ地位で事業主を補佐する者、すなわち事業主の後継者はこれに該当します。
補佐経験で経営業務管理責任者の要件証明をするのは、法人の場合はかなりハードルが高く、特別な証明方法が必要なのですが、個人の場合はスムーズに事業承継ができるようにと、簡易な証明方法が認められています。
福岡県の場合、具体的には要件証明の確認書類として次のものを提出します。
個人事業主補佐経験の要件証明確認資料(福岡県知事許可の場合)
・事業主の所得税確定申告書の写し(6年分以上) 第一表及び2ページ目(専従者又は給与所得者の氏名及び給与支払額が記載さ ・経験期間中の許可通知書の写し(6年分以上) 直近の許可通知書+様式第20号(営業の沿革)又は必要年数分の許可通知書 |
注意すべきことは、給与所得者として記載されている後継者の給与が、良識的に考え生計を立てられるような金額でなければならないということです。
あまりにも低い金額であれば疑義が生じることになるので、事前に許可行政庁に確認を求めるといいと思います。
まとめ |
個人事業の支配人登記は、実はあまり一般的なものではなく、個人商人に関する商業登記が義務でないこともあって、実際にはほとんど行われていません。実務の上で多いのは、やはり事業主補佐の経験を証明する方です。
必要な経験期間は、補佐経験6年以上に対し、支配人5年以上と1年短くて済みますが、たった1年の差です。証明資料は、支配人は登記事項証明書1通であるのに対し、補佐経験は6年分以上の確定申告書等の写しが必要ですが、それでも大して面倒でもありません。
これらに鑑みるなら、わざわざ支配人登記をする実益は少なく、特に家業に従事して久しい後継者の方なら、もはやその必要はないと言えます。
しかし、これから家業の建設業に従事される後継者の方であればこの限りではなく、場合によってはご検討いただく余地があるかもしれません。
コンテンツ監修者プロフィール 高松 隆史(たかまつ たかし) 昭和35年10月9日生まれ。行政書士。 行政書士高松事務所・建設業許可申請サポート福岡代表。 地場老舗ゼネコンの社長室長、常務取締役を経て、平成22年5月行政書士登 建設業の産業特性や業界事情、商慣習等を自らの肌で知る「元建設業経営者 建設業者が抱える経営法務の諸問題に対し、建設業実務に即した実戦的なア 建設業許可申請サポート福岡 〒810-0024 福岡市中央区桜坂3丁目12番92-208号 TEL 092-406-9676(行政書士高松事務所) |
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