個人建設業法人化のメリット、デメリット

公開日:2015年09月09日 / 最終更新日:2018年04月01日

個人建設業法人化のメリット、デメリット

個人事業の建設業者の皆様が建設業許可の新規申請をされるにあたり、法人化した場合のメリット、デメリットを挙げてみました。


これらがすべてではなく、それぞれの皆様の状況によってはまだ他にもあると思いますが、ここでは主だったものについてポイントだけをご説明いたします。

法人化(会社設立)のメリット

1.対外的信用度が高くなる

 法人は、商号、住所、目的、代表者、資本金、役員等が登記されますので、一
 般的に個人事業主よりも信用度が高くなります。

 実際に、個人事業者とは取引しないという会社も少なくないので、そのような
 面では法人の方が有利なのかもしれませんが、建設業の場合、大手ではなく地
 場企業と取引する分においては個人事業であってもそれほど差し支えない場合
 もあると思います。


2.節税面でのメリットが大きい

 会社設立のメリットを考えるとき、一番気になるのが税金の面だと思います。

 個人事業の所得税は累進課税であるため、所得が増えれば増えるほど税率が高
 くなっていくのに対し、法人税は利益が増えても原則一定税率です。

 そのため、売上が大きい場合は法人税の方が有利になります。その他にも、経
 費として認められる費用(自宅兼事務所、自動車、生命保険料、退職金など)
 の幅が増え、有利になるものがあります。


3.資金調達が有利になる

 前述のとおり、個人事業よりも法人の方が信用度が高いため、金融機関から融
 資を受ける際は、一般的には法人の方が有利といえます。

 実際に、個人事業で金融機関から融資を受けようとする場合、第三者保証人を
 要求されるなど、法人より条件が厳しい面があります。


4.優秀な人材が集まりやすい

 建設業の人手不足の問題は喫緊の課題ですが、安定的な雇用先、できれば会社
 の正社員として働きたいという人の方が多いものです。

 採用については、やはり個人事業よりも法人の方が有利であり、優秀な人材を
 集めるには法人であることの方が望ましいでしょう。


5.有限責任を得ることができる(経営のリスクの減少)

 個人事業主は、事業の責任、債務について全責任(無限責任)を負いますが、
 法人は、出資者(株主)、経営者は自分の出資の限度(有限責任)しか責任を
 負いません。このため、自分の財産の全てを切り崩して弁済に充てるという最
 悪の事態を回避できます。

 ただし、会社の債務につき代表者が連帯保証人になっている場合には、結果的
 に全責任を負うことになります。

法人化(会社設立)のデメリット

1.赤字でも払わなければならない税金がある

 毎年税務申告を行う際に、たとえ会社が赤字であっても法人住民税(県民税・
 市町村民税)の均等割は支払う必要があります。福岡県の場合、最低でも毎年
 7万円程度かかります。


2.社会保険の加入が義務付けられる

 個人事業は、従業員5人以上で社会保険(健康保険・厚生年金保険)の適用事
 業所となりますが、法人化すると、社長1人の会社でも社会保険への加入が義
 務付けられます。

 社会保険の保険料は、国民健康保険と国民年金に加入する場合に比べて高額で
 す。保険料は会社と本人が折半する形になりますが、従業員を雇う場合は会社
 の負担は大きくなります。


3.事務負担の増加

 法人化することで事務負担は明らかに増加します。たとえば会計処理は厳密な
 会計ルールに則って行わなければなりませんし、税務申告の面でも非常に複雑
 になります。

 また、社会保険や労働保険の手続きも経常的に発生し、登記事項の変更など会
 社組織に関する事務手続きの負担も多くなります。

【おことわり】

冒頭にも申し上げたとおり、メリット、デメリットは以上がすべてではなく、まだ他にもあると思います。

正しい判断をなさるためにも、様々な分野の専門家(たとえば税務のことなら税理士、労務や社会保険のことなら社会保険労務士など)にご相談されることをおすすめします。

当事務所でも、このような専門家をご紹介することができますので、建設業許可のご相談と併せてお申し込みください。


 コンテンツ監修者プロフィール


 高松 隆史(たかまつ たかし)

 昭和35年10月9日生まれ。行政書士。

 行政書士高松事務所・建設業許可申請サポート福岡代表。


 地場老舗ゼネコンの社長室長、常務取締役を経て、平成22年5月行政書士登
 録。福岡市を中心に福岡県内全域で年間100件以上の依頼・相談を受ける。

 建設業の産業特性や業界事情、商慣習等を自らの肌で知る「元建設業経営者
 の行政書士」として、建設業許可の取得支援業務を最も得意とする。

 建設業者が抱える経営法務の諸問題に対し、建設業実務に即した実戦的なア
 ドバイスができる建設業法の専門家として定評がある。


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 〒810-0024 福岡市中央区桜坂3丁目12番92-208号

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