建設業許可申請レポート福岡4

公開日:2016年05月24日 / 最終更新日:2018年03月24日

下請業者の建設業許可を取ってほしい

許可区分
福岡県知事許可(一般建設業・新規申請)
許可業種
電気工事業
概  要
第1種電気工事士を主任電気工事士に置く登録電気工事業者。当社の
元請からの依頼により受任に至った案件。過年度の確定申告により経
営業務の管理責任者の経験年数を上乗せした事例。

(守秘義務により、一部内容を修正している箇所があります)

本件の顧客は、個人、法人通算で5年間電気工事業を営んでいる方でした。

実は、本件の依頼は顧客から直接頂いたわけではなく、顧客の元請会社からであり、名前を聞けば誰でも知っているような大手の会社です。


ご連絡を頂いたのは、その会社の現場所長のような立場の方で「自社の下請業者である電気工事業者ににどうしても建設業許可を取らせたい」とのことでした。

聞けば「数カ月後発注予定のある電気設備の工事を本件顧客に発注したいが、最終的に500万円を超えることになるので、今のままでは発注できない。でも発注したいので、何とか取らせてやってくれないか」とのことでした。


このような場合によく行われるのが、2以上の工事に分割して、1件当たりの工事を500万円未満にして発注することですが、分割発注しても請負代金の額は各契約の合計金額とされるので、結局は違反行為です。発覚すれば、元請業者は監督処分の対象となります。


そういうこともあって、この元請の所長さんは当事務所に連絡してこられたのでしょうが、元請にそこまで心配してもらえるのですから、本件顧客はよほど対応がいいところなのだろうと思った次第です。連絡先をお教えいただき、さっそくご連絡を差し上げ、お会いすることになりました。


顧客のプロフィールは、4年半個人事業として営業、法人化して半年なので、社長にはちょうど5年間の経営経験がありました。社長以下3名の従業員全員が技術者で電気工事士の有資格者でしたが、専任技術者には1級電気工事士の2番手の社員の方を当てたいとのことでした。


これでほぼ要件は整っているように見えましたが、経営業務の管理責任者の要件証明において一つ問題点がありました。それは、個人事業を開業した初年度の確定申告がされていなかったことで、開業届も税務署に提出していないので、5年前の開業の事実を客観的に証明することができないことでした。


何でも、開業初年度は2カ月間だったので、売上らしい売上げもなく、確定申告はしなかったとのことでした。そのような状態でも、契約書や注文書等の工事を受注していた証拠になる書類があれば、役所との交渉次第では「経営経験5年」と認められるかもしれませんが、確実ではありません。


そこで、経営業務の管理責任者の要件を確実にするため、社長に「5年前の確定申告を遡ってしていただく」ことをお願いしました。ちなみに過年度の確定申告は5年前の分まですることができます。本件の場合はぎりぎりセーフでした。


なお、確定申告はしたが、申告書を紛失したなどの場合は、税務署に対し「情報公開請求」をすることで、過年度の申告書の写しを入手できる場合があります。このような税務署での確定申告関係の書類の保管期間は7年間となっています。


かくして、過年度の確定申告という面倒な作業を顧客にお願いすることになりましたが、最終的には何の問題もなく無事許可が下り、ほどなくして例の元請からの大きな仕事も発注があったとのことでした。


 コンテンツ監修者プロフィール


 高松 隆史(たかまつ たかし)

 昭和35年10月9日生まれ。行政書士。

 行政書士高松事務所・建設業許可申請サポート福岡代表。


 地場老舗ゼネコンの社長室長、常務取締役を経て、平成22年5月行政書士登
 録。福岡市を中心に福岡県内全域で年間100件以上の依頼・相談を受ける。

 建設業の産業特性や業界事情、商慣習等を自らの肌で知る「元建設業経営者
 の行政書士」として、建設業許可の取得支援業務を最も得意とする。

 建設業者が抱える経営法務の諸問題に対し、建設業実務に即した実戦的なア
 ドバイスができる建設業法の専門家として定評がある。


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