公開日:2017年05月26日 / 最終更新日:2021年01月04日
変更届出の懈怠がもたらす意外な落とし穴 |
建設業許可を取得している業者は、許可を受けている内容に変更があれば、所定の期間内にそれを届出ることが義務付けられています。これらの提出を怠ると、更新申請が受け付けられない(福岡県の場合は更新許可通知書が交付されない)とか、刑罰の対象になることがありますが、これら以外にも思わぬ処分を受けることがあります。
「変更届」には、大きく2つに分けて決算変更届と決算以外の変更届の2種類があります。決算変更届は毎事業年度終了後に届け出ますが、これを提出することにより、取消処分の対象である「引き続き1年以上営業を停止」に該当しないことの証明になるほか、公共工事の入札に参加するのであれば、経営事項審査の受審にも欠かせないので、その重要性は大体お分かりだと思います。
だからといって、決算変更届だけ忘れず提出していればいいというものではありません。決算以外の変更届も非常に重要です。たとえば、経営業務の管理責任者や専任技術者の変更届は許可要件の根幹にかかわることなので、その重要性は言うまでもありませんが、主たる営業所の所在地や従たる営業所の所在地変更も重要事項です。
それは「営業所の所在が確認できない」という理由で、建設業許可の取消処分が行われることがあるからです。どういうことかといいますと、何かの用事があって九州地方整備局や福岡県庁などの許可行政庁が建設業者に連絡を取ったが、移転等の事由でその業者に連絡が付かなかった場合、許可行政庁は官報などで「移転先を届け出られたし」という公告を出しますが、これに気付かず、公告期間を経過してしまうと、許可取消処分が出されることになるからです。
許可取消処分にまで至らない場合でも、刑罰でも科されようものなら、経営事項審査での減点や入札参加資格の制限などの不利益を被ることにもつながりかねません。法定の期限を軽く考え、「たかが変更届、何かのついでに届出ればいい」などと甘く考えないようにお気を付けください。
コンテンツ監修者プロフィール 高松 隆史(たかまつ たかし) 昭和35年10月9日生まれ。行政書士。 行政書士高松事務所・建設業許可申請サポート福岡代表。 地場老舗ゼネコンの社長室長、常務取締役を経て、平成22年5月行政書士登 建設業の産業特性や業界事情、商慣習等を自らの肌で知る「元建設業経営者 建設業者が抱える経営法務の諸問題に対し、建設業実務に即した実戦的なア 建設業許可申請サポート福岡 〒810-0024 福岡市中央区桜坂3丁目12番92-208号 TEL 092-406-9676(行政書士高松事務所) |
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