確認資料及び添付書類を収集する

公開日:2017年01月29日 / 最終更新日:2020年12月29日

要件確認の必要書類やその他の添付書類を集めます

法定の申請様式の他に、ご自分や会社の要件を証明するための各種の資料、書類が必要になるので、入手方法を含め、そのすべてをご説明します。


以下に挙げるのは、あくまで標準的なケースの申請の場合であり、案件によっては特殊な証明をしたり、例外的な取扱いを認めてもらうため、これら以外にも必要なものがある場合がありますので、その旨ご承知おきください。


また、許可行政庁の審査の都合上他にも資料、書類を求められることがありますので、そのような場合は行政庁の指示に従うようにしましょう。


なお、各種証明書については、申請日前3カ月以内(一部1カ月以内)に発行されたものに限られています。最初だけ張り切って、簡単に取れる登記簿謄本などだけ早く集めたが、後が続かなくて有効期限を切らせてしまったなどということがないように気を付けてください。

経営業務の管理責任者の要件を証明する資料

●法人役員の経験で証明する場合

 ・在籍期間を証明する登記簿謄本(履歴事項証明書・閉鎖事項証明書)*1

 ・上記期間中の会社の法人税及び消費税の申告書控(鏡の部分)の写し

 ・上記期間中の事業内容や営業していた建設業の業種が確認できる書類(例:
  契約書・注文書・注文請書等いずれかの写し)*2


●個人事業主の経験で証明する場合

 ・必要な経験期間に係る確定申告書B(鏡の部分)の写し

 ・上記期間中の事業内容や営業していた建設業の業種が確認できる書類(例:
  契約書・注文書・注文請書等いずれかの写し)*2


 *1 就任日を起点とした全経験期間が確認できるように取ること

 *2 必要年数1年につき1件以上(5年なら5件以上、7年なら7件以上)


<補足>

経営業務の管理責任者の経験を証明する場合、被証明者(証明を受ける人)が、「取締役等の地位にあったかどうか」また「経験先は建設業を営む事業所であったかどうか」さらには「経営経験期間中その事業所は実際に営業活動を行っていたかどうか」を確認する意味で、これらの書類の提出が求められます。

専任技術者の要件を証明する資料

●国家資格等で証明する場合

 ・資格者証、合格証明書等の写し *1 *2


●実務経験で証明する場合

 ・実務経験を積んだ工事の内容が分かる契約書・注文書・注文請書等いずれかの
  写しを必要年数分
*3

 ・出身校の卒業証明書及び履修科目証明書(指定学科卒業後3年・5年以上の
  実務経験の場合)

 ・実務経験期間中の常勤を確認できる書類等(例:事業所名と資格取得年月日
  が記載された健康保険被保険者証、期間分の住民税特別徴収税額通知書、ね
  んきん特別便、被保険者記録照会回答票等いずれかの写し)


 *1 電気工事士免状、消防設備士免状等、携帯を義務付けられているものを
    除き、申請時に原本を持参

 *2 資格取得後に実務経験が必要な資格(例:第二種電気工事士+実務経験
    3年)は、当該実務経験を積んだ工事の内容が分かる契約書・注文書・注
    文請書等いずれかの写しを必要年数1年につき1件以上(例:3年なら
    3件以上)を別途添付

 *3 必要年数1年につき1件以上用意(3年なら3件以上、5年なら5件以
    上、10年なら10件以上)


<補足>

専任技術者の実務経験を証明する場合、経験年数及びその内容を証明する意味で契約書や注文書等の写しが必要であることはお分かりいただけると思いますが、経験期間中の常勤(専属で仕事をしていること)を証明する意味で、当該事業所に所属していた時期や個人事業を営んでいた時期が分かる健康保険証の写しや被保険者記録照会回答票(厚生年金、国民年金の加入記録)が必要になります。

資格者証・合格証明書の写し

許可を受けようとする建設業の資格であるか否かにかかわらず、手引きの「有資格者コード一覧」に掲載されている国家資格者等がいれば、当該資格保有者の資格者証・合格証明書の写しが必要です。

なおかつ、これらの者については様式第11号の2(国家資格者等・監理技術者一覧表)に記入することになります。


ただし、必要になるのは専任技術者や現場の主任技術者になることができる有資格者の分なので、資格取得後に実務経験が必要な資格(例:第二種電気工事士+実務経験3年)の保有者については、所定の実務経験を積んだ者の分だけ用意してください。


その場合、当該実務経験を積んだ工事の内容が分かる契約書・注文書・注文請書等いずれかの写しを必要年数1年につき1件以上、たとえば3年間の実務経験が必要な資格なら3件以上を別途添付します。

定款の写し(法人)

定款とは、会社を設立するときに作成した「商号」「本店所在地」「目的」などの当該会社の根本原則が記載された書類で、法人であれば、必ず社内に備え置かれているはずです。

すべてをコピーし、どこか適当な余白に原本証明をして会社代表社印を押印してください。


 定款(例)

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 原本証明の記載要領


  この定款の写しは当社の定款の原本の写しと相違ありません。


          平成〇年〇月〇日


             福岡市中央区大濠1-12-2

              株式会社建設サポート福岡

              代表取締役 高松隆史  



ところで、貴社の定款の目的には「何の建設業を営むのか」「何の建設工事を施工するのか」に関する文言が入れられているでしょうか。たとえば「内装仕上工事業」「熱絶縁工事業」「建具工事業」又は「内装仕上工事の施工」「熱絶縁工事の施工」「建具工事の施工」などのような文言です。


法人の申請の場合はここが明確になっている必要があります。もしもなっていなければ、定款の目的変更を行い、管轄法務局で登記申請しておきましょう。登記まで備えておかないと、同じく添付書類である登記簿謄本にまで影響します。

詳細の手続き方法はこちら⇒株式会社(目的の変更)


なお、定款変更を行った場合は、変更箇所を修正した定款の写しを準備することが望ましいですが、修正前の定款に変更の決議をした株主総会議事録の写しを添付することでもOKです。

履歴事項全部証明書(法人及び支配人登記のある個人)

いわゆる登記簿謄本ですが、最寄りの法務局で全部事項証明書(謄本)の履歴事項証明書というものを取ってください。法人は必ず必要ですが、個人の場合も支配人登記をしているときは必要です。


 履歴事項全部証明書(例)

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商号又は名称、住所さえ分かれば、手数料1通600円を支払い、誰でも簡単に取れる書類ですが、注意すべきは、法人の場合登記懈怠がないかどうかということです。登記懈怠とは、登記された事項に変更があるにもかかわらず、その登記を怠っていることですが、商号や本店所在地、代表取締役の住所などの変更はもちろんですが、株式会社であれば取締役には任期があるので、当該取締役が任期満了後も引き続きその職責にあるのであれば、重任登記を備えておかなければなりません。


このようなことがあった場合、その在任期間に空白期間が生じることになり、経営業務の管理責任者の経験証明などに支障が出ます。心当たりがあれば、福岡県庁本庁の建築指導課に指導を仰ぎ特別の証明方法で認めてもらうか、司法書士に相談して過去に遡って重任登記の手続きをしてもらうことになるでしょう。


厳しいことを言いますが、長期にわたる登記懈怠の場合は、裁判所から高額の過料通知が来ることがあります。この程度の用意周到さを欠いておられるようであれば、もはやご自分で建設業許可を取るなどということはおすすめできません。ぜひ行政書士にご相談ください。

納税証明書

納税証明書とは、課税された税金を納付していることを証明するものです。建設業許可申請においては、申請者の営業所が実態に即して当該都道府県に届出られているかどうかを確認する意味で提出を求められています。


 納税証明書(例)

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提出すべき納税証明書は、福岡県知事許可の場合、法人は「法人事業税」、個人は「個人事業税」の納税証明書で直近1年分の事業年度のものが必要であり、これらは税務署ではなく県税事務所で取ることになります。(発行手数料400円)新規設立で決算未到来の法人は、代わりに県税事務所に提出した法人設立届の写しを提出します。


なお、税金滞納に関する許可基準はないので、理屈の上では法人事業税や個人事業税を滞納していても建設業許可の取得は可能と考えられます。しかし「請負契約に関する誠実性」の要件に鑑みるといかがなものでしょうか。


ちなみに、公共工事の入札参加資格申請においては税金に未納がないことが要件であり、税金滞納者には入札参加資格は付与されないことになっています。

登記されていないことの証明書

「登記されていないことの証明書」とは、被証明者が、建設業許可の欠格要件である「成年被後見人」「被保佐人」等として登記されていないこと、つまり、成年後見制度でいう「制限行為能力者」(認知症や知的障害、精神障害等の理由により保護されている人)でないことを証明するものです。

法人役員(監査役を除く)、個人事業主、令3条の使用人(支店又は営業所の代表者、個人事業の支配人登記された支配人)について必要になります。


 登記されていないことの証明書(例)

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全国の法務局・地方法務局(支局・出張所を除く)の戸籍課等で、手数料300円分の収入印紙を添えて取得することができます。ちなみに、福岡県内で窓口申請できるのは福岡法務局のみであり、それができない場合は、東京法務局後見登記課宛に郵送請求することになります。


申請上の注意としては、申請書を記載する際、氏名、生年月日、住所に誤りがないよう気を付けることです。誤りがあると無効になります。また、必ず「成年被後見人、被保佐人とする記録がない」旨の証明を受けなければなりません。


*詳しくはこちらもご参照ください欠格要件に該当しない旨の確認書類

身分証明書

一般的に「身分証明書」とは、運転免許証や健康保険証、住民基本台帳カードなどをいいますが、ここでいう身分証明書はこれらではなく、我々の本籍地を管轄する市区町村が発行する身分関係の書類です。


 身分証明書(例)

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登記されていないことの証明書と同様、建設業許可の欠格要件である「禁治産・準禁治産宣告」「後見登記」の通知を受けていないこと、そして今一つの欠格要件である「破産者で復権を得ない者」ではないことを証明するためのものです。

法人役員(監査役を除く)、個人事業主、令3条の使用人(支店又は営業所の代表者、個人事業の支配人登記された支配人)について必要になります。


注意すべきことは、請求先はあくまで被証明者の本籍地の市区町村であるということで、本籍が福岡県外であるなら、当該本籍地の市区町村に請求しなければなりません。(本籍地が福岡市内なら市内の各区役所の窓口で取得可能)


手数料は市区町村により異なりますが、200円から400円程度で、郵送請求する場合はこれらにプラス、定額小為替の発行手数料(100円)、往復の郵送料が必要になります。


*詳しくはこちらもご参照ください欠格要件に該当しない旨の確認書類

取引金融機関の預金残高証明書等

「預金残高証明書」は、銀行や信用金庫などの金融機関が発行する当該顧客の預金残高を証明する書類で、財産的基礎又は金銭的信用の要件「自己資本500万円以上」「500万円以上の資金調達能力」の証明に必要になります。


 預金残高証明書(例)

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法人は、直近事業年度の決算報告書において貸借対照表の純資産の部が500万円以上であれば必要ありません。また、500万円以上の資本金の新設未決算の法人も同様です。ただし、個人の場合は自己資本の多寡にかかわらず常に必要です。


発行してもらうには、口座を開設している金融機関の支店に通帳、届出印鑑、本人確認資料、手数料(400円程度)等を持参し、所定の手続きをします。即日発行してくれるかどうかは金融機関によって異なりますので、あらかじめ連絡して確認しておいた方がよいでしょう。


注意すべき点は、まず一点目に、書類の有効期限が他の証明資料よりも期間が短いということです。具体的には、建設業許可申請日前30日以内の日付の残高が証明されたものであることが必要なので、申請準備がほぼ整いつつあるタイミングを見計らって取ってください。


もう一つは、預金残高が500万円以上あったとしても、その中に未決済手形や銀行渡り小切手などが含まれていれば、その分は現金の残高とはみなされないということです。どういうことかといいますと、それらは金融機関の口座に入金されたとしても、実際にはまだ換金できておらず、現金として口座にあるわけではないからです。あくまで現金として500万円以上の残高があるということが絶対条件になります。

健康保険及び厚生年金保険の加入を証明する資料

建設業の社会保険等未加入対策が推進されることに伴い、建設業許可申請においては、平成24年11月よりこれらの資料が必要になりました。


一般的には、年金事務所から毎月送られてくる「保険料納入告知額・領収済通知書」という書類の写しを提出します。これにより、健康保険及び厚生年金保険の適用事業所となり、実際に保険料の支払いも行っていることが証明されます。


 保険料納入告知額・領収済額通知書(例)

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なお、新規設立の法人などで、まだ社会保険に加入したばかりということであれば「健康保険・厚生年金保険資格取得確認及び標準報酬決定通知書」という、同じく年金事務所から届いた書類を提出すればよいです。


*あわせてこちらもご覧ください⇒社会保険の加入状況確認資料

雇用保険の加入を証明する資料

これも建設業の社会保険等未加入対策推進に伴い必要となった資料ですが、通常は「労働保険概算・確定保険料申告書」の写しとそれを支払ったことを証明する「領収済通知書」の写しを提出します。


 労働保険概算・確定保険料申告書及び領収済通知書(例)

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ちなみに労働保険概算・確定保険料申告書とは、毎年6月中旬頃に労働基準監督署から送付されてくるもので、これをもって労働保険の前年度の確定保険料と当年度の概算保険料を併せて申告・納付するので、この写しがあるということは労災保険と雇用保険を適切に負担していることの証明になるというわけです。


 社会保険等未加入の皆様へ

 健康保険及び厚生年金保険は、法人の場合は強制加入(個人事業は従業員5
 人以上)で、雇用保険は従業員が1人以上いれば、法人・個人を問わず強制
 加入となっています。

 これまで国土交通省により建設業者の社会保険等未加入対策が推進されてき
 ましたが、令和2年10月1日改正建設業法の一部施行により「適切な社会保
 険に加入していること」が正式に建設業許可の要件の一つとなりました。

 したがって同日以降は、新規、更新を問わず、すべての建設業許可申請にお
 いて、社会保険の強制的用事業種は社会保険に加入していることが必須とな
 っていますので、ご注意ください。


健康保険証等の写し

あまり詳しい説明はいらないと思いますが、「健康保険被保険者証」や個人事業主の場合の「全国建設工事業国民健康保険組合」(建設国保)等の国民健康保険証のことです。


必要なのは経営業務の管理責任者と専任技術者の分ですが、経管と専技はそれぞれ常勤、専任が求められているので、その証明の意味で「事業所名」(法人の場合)や「資格取得年月日」の入ったそれらを添付します。


社会保険に加入義務のない個人の場合などは、必然的に市町村の国民健康保険の写しを提出することになります。


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