建設業許可失効前に受注した工事の取扱い

公開日:2018年04月20日 / 最終更新日:2018年04月21日

建設業許可を失効すると、失効前に受注した「許可が必要な工事」は施工できなくなるのか?

これまでもたびたび申し上げてきたように、現に建設業許可を受けている建設業者が何らかの理由で許可要件を欠き(経営業務の管理責任者や専任技術者が不在になったなど)、あるいは欠格要件に至った(不祥事を起こした役員等の有罪判決が確定したなど)ときは、許可行政庁の取消処分を待たずにその許可は効力を失うことになります。


当然のことながら、以後は法定金額を超える工事を請け負うことができなくなるわけですが、ならば、許可を受けている期間中に受注し契約した『許可が必要な工事』はどうなるのでしょうか。次のような問題点が考えられると思います。


 未着工なら工事に着手してはならないのか?

 施工中のときは工事を中止しなければならないのか?


 施工できるとしても

 設計変更等による請負金額の増額は認められるか?

 追加工事を請け負うことはできるか?


 また、許可が不要な軽微な工事でも

 設計変更、追加工事等で法定金額を超える場合は?


基本的な考え方としては、許可失効前、すなわち許可が有効であった期間に受注した工事の請負までは否認されないということで、未着工の工事は着工していいし、施工中の工事を中止する必要はありません。(建設業法第23条の9第1項)


設計変更、追加工事については、都道府県や地方整備局によっては取扱いが異なるかもしれませんが、福岡県の場合は「設計変更による増額を含めて施工することができるが、追加工事により増額することまでは認められない」という見解のようです。


なお、軽微な工事の変更、追加による増額で法定金額を超えることは、無許可業者にこのようなことが認められないのと同様、認められないと考えるべきです。


ただし、あくまでこれらは基本的考え方なので、もしも実際にこのような事態が発生したときは、個別の事案ごとに許可行政庁の指導を受けるべきであります。


最後に、先の建設業法第29条の3第1項には「許可がその効力を失う前又は取消処分を受ける前に締結された請負契約に係る建設工事を施工する場合において、許可がその効力を失った後又は当該処分を受けた後、2週間以内に、その旨を当該建設工事の注文者に通知しなければならない」旨が規定されています。


 コンテンツ監修者プロフィール


 高松 隆史(たかまつ たかし)

 昭和35年10月9日生まれ。行政書士。

 行政書士高松事務所・建設業許可申請サポート福岡代表。


 地場老舗ゼネコンの社長室長、常務取締役を経て、平成22年5月行政書士登
 録。福岡市を中心に福岡県内全域で年間100件以上の依頼・相談を受ける。

 建設業の産業特性や業界事情、商慣習等を自らの肌で知る「元建設業経営者
 の行政書士」として、建設業許可の取得支援業務を最も得意とする。

 建設業者が抱える経営法務の諸問題に対し、建設業実務に即した実戦的なア
 ドバイスができる建設業法の専門家として定評がある。


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